◆調査活動

・2015年度助成プログラム(2016年実施)

Pro-Natura Fund

 

「宮崎県枇榔島におけるカンムリウミスズメの最大の捕食者、カラス類、に関する基礎調査」

 今回調査から、島では、ハシブトガラス、ハシボソガラスの2種の生息が確認され、また比較的多くのカンムリウミスズメの死体も確認された。ハシブトガラスは、少数が島で営巣していた。ハシボソガラスは数羽程度が採餌のために島を訪れるビジター的な存在であると推測された。今回の調査と過去の記録から、ハシブトガラスとハシボソガラスによるカンムリウミスズメの一繁殖期の捕食数を推定すると、年間35-110羽程度のカンムリウミスズメが捕食されていることになる。比較的多くのカンムリウミスズメが、比較的少数のカラス類によって捕食されていることこがわかってきた。

ラッシュ ジャパン チャリティポット

「世界最大のカンムリウミスズメの繁殖地、枇榔島における自動撮影カメラを用いた捕食者に関する調査」

 

 枇榔島で、初めてカンムリウミスズメの捕食の証拠が収められ、その写真は、数社の新聞記でも紹介された。 

カラス類が継続的に記録されるようになったのは、ハシボソガラスが4月上旬から5月下旬、ハシブトガラスが4月上旬から7月中旬であり、両種の繁殖期に当たる期間である。枇榔島のカンムリウミスズメの産卵は3月中下旬、孵化は4月下旬から5月上旬であり、カラス類の活動が活発になる時期は、カンムリウミスズメの繁殖期に一致することがわかった。

島北西部のハシボソガラスによるカンムリウミスズメの捕食が多い林内で、ハシボソガラスが18:00以降も頻繁に活動をしているのは気になるところである。この時間帯は、島での釣り人も本土に戻っていない時間帯である。

2016年調査のまとめ

 これらの2つの調査の他、2013年以来継続している営巣モニタリングも実施した。今年の孵化成功率は、55%で、2013年の77%から比較すると低い値を示していた。現在のところ、枇榔島のカンムリウミスズメの推定繁殖数は1200-1800ペアーであり、カラス類とカンムリウミスズメのバランスは保たれているようである。しかしながら、孵化の成功率が低下傾向にあることには、注意すべきであろう。カラス類の数を増やさない努力が必要である。

 釣り人が残した撒餌は、カラスを誘引する材料になると懸念されているが、実際、残された撒餌をついばむカラス類が、枇榔島やその周囲で確認されている。1992年以来、門川町は、カンムリウミスズメに対するカラスの影響を減らすため、公教育の一環として、釣り人のマナーの向上に努めている。残念ながら、釣り人の一部には、それを無視する者もおり、私たちは、2013年に釣り人により残された撒餌や弁当の残りを枇榔島内の釣り場で確認している。

 1992年当時と同様の試みによる釣りマナー改善のアピールが再度求められる。さらに重要なことは、残された撒餌のカラス類による利用実態を調査することではないだろうか。人間側のモラルが徹底されれば、不必要にカラス類の数が増えることが防げるのかもしれない。

 

今後の予定

 2017318()19()に、宮崎県東臼杵郡門川町で、カンムリウミスズメシンポジウム2017  in かどがわ  ~みんなで守ろう! カンムリウミスズメ~が開催され、海鳥保全グループは主管としてシンポジウムを運営します。会場は、クリエイティブセンター 門川(宮崎県東臼杵郡門川町南町6丁目)。 詳しくはシンポジウムのHPをご覧ください。参加希望の方は、そちらから申し込みをお願いします。

 

2014年度

一般財団法人セブン-イレブン記念財団

飛島周辺におけるウミスズメ繁殖確認調査 

Pro-Natura Fundのプロジェクト(2015年実施) 

ソングメーターを用いた福岡県小屋島におけるヒメクロウミツバメの繁殖調査

福岡県、沖ノ島の属島、小屋島での2013年度および2014年度の調査結果、2009年の小屋島へのネズミの再侵入以降、一時は当地での生存が危惧されたヒメクロウミツバメの個体数の増加の傾向が示唆されました。報告書に2016年末頃発行予定のPro-Natura Fundの報告書に詳細が報告されます。

2013年度 

「公益信託 大成建設自然・環境基金」

・福岡県沖ノ島・小屋島における絶滅危惧鳥類、カンムリウミスズメおよびヒメクロウミツバメの現状と保護

Pro-Natura Fundのプロジェクト(2014年実施)

・ワークショップ ~日本各地の小さな島々における希少でかつ個体数の減少が懸念されるカンムリウミスズメの繁殖コロニーの保護のために必要な外来生物(特にネズミ類)の駆除について~

2011-2013年 公益信託「サントリー世界愛鳥基金」

Nocturnal Spotlight Surveys of Japanese Murrelets (Synthliboramphus wumizusume) at Birojima, Miyazaki-ken, Japan, in 2011

Surveys of Japanese Murrelets (Synthliboramphus wumizusume) at Birojima, Miyazaki-ken, Japan, in 2012

Hatching Success, Timing of Breeding and Predation of Japanese Murrelets (Synthliboramphus wumizusume) at Birojima, Miyazaki-ken, Japan, in 2013

カンムリウミスズメ巣立ち雛(2011年4月D. Whitworth撮影)
カンムリウミスズメ巣立ち雛(2011年4月D. Whitworth撮影)

2011-2013年は,サントリー世界愛鳥基金より助成をうけ,宮崎県の枇榔島において、日本では初の試みである、ウミスズメ類の個体数調査を目的としたスポットライトサーベイや、カンムリウミスズメの営巣調査を実施しました。を実施しました。スポットライトサーベイについては,その後は,環境省のモニタリング1000の報告書でスポットライトセンサスとして紹介されるようになりました(環境省自然環境局生物多様性センター 2015).

 

2012-14年 コンサベーション アライアンス ジャパン(アウトドア自然保護基金)

福岡県沖ノ島及び小屋島における繁殖期のカンムリウミスズメの調査報告-2012年度

福岡県沖ノ島及び小屋島における繁殖期のカンムリウミスズメ及び家鼠類の生息状況調査−2013年結果報告−

 National GeographicNews Watchと カナダの新聞 The Tyeeで活動が紹介されました。 

National Geographic

http://newswatch.nationalgeographic.com/2013/09/11/healing-okinoshima-island-restoring-a-sacred-japanese-landscape-overrun-by-rats-is-no-mean-feat/

The Tyee  

 http://thetyee.ca/Life/2013/08/24/Healing-Okinoshima-Island/ 

福岡県沖ノ島及び小屋島における繁殖期のカンムリウミスズメ及び家鼠類の生息状況調査−2014年度 

2012-2014年の調査から、2009年の小屋島へのネズミの再侵入後も、少数のカンムリウミスズメが小屋で繁殖していることが確認されたほか、沖ノ島での繁殖の可能性も示唆され

ました。また、沖ノ島での四季をしたネズミ類の生息状況も知ることができました。 

 

2014年度 

一般財団法人セブン-イレブン記念財団 

飛島周辺におけるウミスズメ繁殖確認調査  

Pro-Natura Fundのプロジェクト(2015年実施) 

ソングメーターを用いた福岡県小屋島におけるヒメクロウミツバメの繁殖調査

足環をつけられるヒメクロウミツバメ (大槻 撮影)
足環をつけられるヒメクロウミツバメ (大槻 撮影)

福岡県、沖ノ島の属島、小屋島での2013年度および2014年度の調査結果、2009年の小屋島へのネズミの再侵入以降、一時は当地での生存が危惧されたヒメクロウミツバメの個体数の増加の傾向が示唆されました。報告書に2016年末頃発行予定のPro-Natura Fundの報告書に詳細が報告されます。